体外受精においての移植で、「胚盤胞のほうがいいか、初期胚のほうがいいか」 ご質問を受けるときがあります。
ちなみに、初期胚っていうのは、受精2~3日後の受精卵のことで、今までは、技術的に初期胚が限界でした。
胚盤胞は、受精5日まで育てた受精卵のことですね。
何が違うかっていうと、着床寸前の状態まで育てるわけなので、妊娠率・出産率ともに、胚盤胞の方が高いといわれています。
しかし、欠点もあります。すべての受精卵が胚盤胞まで育つわけではありません。胚盤胞まで移行するのに、約半数弱と言われているので、その難しさがわかると思います。
また、胚盤胞でないと、着床しない!ということもありません。逆に胚盤胞ではうまくいかなったかけど、初期胚にしたらうまくいった!という方もいらっしゃるので、その判断が難しいのです。
ここら辺の判断は、それぞれの病院、担当の先生によってやり方や意見が異なるので、どちらかがいいか!とすぐに決めるより、やりながら調整、修正していくというのが一般的です。
また、その後、凍結するか、しないかでも、方法が異なってくるのですが、一般的に、新鮮杯より、凍結杯のほうが、妊娠率が高いというデータもあります。
これは、凍結がいい!とかではなく、採卵のため、どうしても、排卵誘発剤やホルモン剤の使用により、卵巣の状態が乱れているので、一度子宮内の環境を整えてから、戻す凍結肺移植の方が良いときもあります。
もちろん、新鮮杯がダメ!ってことでなく、その方のそのときの状態も影響するっていうことですね。